2013.07.26 演劇実験室◎万有引力「呪術音楽劇 邪宗門」
Posted in 未分類 on 7月 26th, 2013 by Site Administrator観てきました。
澄んだ東京巡礼歌とか、予想外の展開の合唱曲がとても素晴らしい。
生エレキ、シンセ、ドラムが体に響く。音楽も素晴らしい。
とりふね舞踏舎の存在自体も怪しく、(悪)夢を見ているかのよう。
いままで色々見てきた再演版邪宗門の中でも、印象に残る素晴らしい演出でした。
ちなみに内容については相変わらずの邪宗門です。けど、何回も見てると新たな解釈も。
初演の邪宗門は、時代背景とかも考えて、きっとメタ演劇として画期的なものだったんでしょう
(リアルタイムでは観てないけど)。
じゃぁ今の時代に再演される邪宗門はどうなのか?と考えたとき、メタ演劇としてはネタも古いし、
正直古典的なアングラ作品にすぎないのかな、と思っていました。
ただこれまで何回か再演を見て気になったことが、ラストシーンの「告白」の部分。
役を脱ぎ捨てた役者が告白するのであれば、毎回毎回内容は異なっていてもいいはずなのに、
なぜか用意された寺山修司の言葉を正確に叫んでいるだけなんですよね。解放の演劇のはずなのに!
で今回観てふと思ったことは、
「邪宗門は、『役を脱ぎ捨てた役者が演劇から解放される』というメタ演劇を演じる役者を題材にした劇」
なんじゃないかなということ。書いていてもややこしい!
そう考えると、最後の役者の告白が再演されるたびに同じというのも納得がいくのですよね。
今回の感想が合っているかどうかは別として、毎回観るたびに新たな発見がある寺山演劇は本当に興味深いです。
本当に迷路のような作品群です。